福盛のすゝめ2026年7月号抜粋
私の指導における基本方針は、「受験校は生徒自身に決めてほしい」ということです。なぜなら、「自ら選択していくこと」こそが、大人になっていく過程そのものだと考えているからです。
世間一般で言えば、私はもう十分な大人です。では、私は一体「いつから」大人になったのでしょうか。成人式を迎えたときか、学校を卒業したときか、それとも社会人として自立したときか――明確な答えは出せません。正直に言えば、「気が付けば大人として振る舞わなければならなくなっていた」というのが本音かもしれません。
しかし一つだけ言えるのは、「自分が選んだことに責任を持てるようになったとき」が、本当の意味での大人と呼べる瞬間なのではないか、ということです。うまくいかない時に誰かのせいにしているうちは、まだ子どもです。自分の人生の舵を自分で握り、その結果を受け止める覚悟を持つこと。これこそが「大人の第一歩」です。
とは言え、特に小中学生の段階では、「将来の夢」や「明確なビジョン」なんてまだ見えていなくて当然です。大人だって迷うのですから、10代の彼らが最初から完璧な選択なんてできるはずもありません。
だからこそ、私たち大人の出番なのだと思っています。生徒さんが「ここならワクワクしそう」「挑戦してみたい」と思えるきっかけを一緒に探し、迷ったときは必要な情報を差し出し、もし転んでしまっても何度でも起き上がれるように全力で支えます。
私が目指すのは、生徒を突き放す「自己責任」ではありません。「後ろでしっかり支えているから、安心して自分の意思で一歩を踏み出してごらん」と言える、最高のチャレンジの場を作ることです。
その安心感があるからこそ、「最後にここを目指す」「この道を選ぶ」という決断は、他の誰でもない生徒さん自身に下してほしいのです。自分の進路を自分で選ぶのはとても勇気が要ることですが、その選択に責任を持つ経験こそが、生徒さんたちを大きくたくましく成長させます。
自分で選んだ道だからこそ、人は本気になれる。知識の詰め込みだけでなく、「自分の未来を自分で選ぶ楽しさと覚悟」を、一人ひとりと丁寧に対話しながら育んでいきます。