福盛のすゝめ5月号より抜粋
現在、教育業界には非常に大きな変化の波が押し寄せています。最近のトレンドとして、多くの教育現場や学習塾で「AIの導入」や「タブレットによる映像授業」が急速に普及し始めました。
確かに、理解度を深めるための映像授業や、進捗管理をAIに任せて効率化していくことは、素晴らしい「道具の活用」であり、当塾でも積極的に取り入れています。しかし、もし「効率的なシステムをこなすだけ」であるならば、わざわざ塾に通わずとも、ご自宅でもできると思います。画面の中の授業は一方通行であり、効率の良さと引き換えに、どうしても「受け身の学習」になりがちです。だからこそ、これからの時代に本当に求められるのは、システムによる管理ではなく、「人と人との対面」だからこそ生まれる価値ではないでしょうか。
私は10年以上前から、「これからは知識を一方的に教える『ティーチング』の時代は終わり、生徒に寄り添い、引き出す『コーチング』や『カウンセリング』が不可欠になる」と周囲に伝えてきました。
かつては「知識をどれだけ頭に詰め込んでいるか」が優秀さの基準でした。しかし今では、わからないことがあればネットやAIで調べれば、一瞬で「それらしい正解」にたどり着けます。つまり、時代は「知識の量」ではなく、「手に入れた知識をどう上手く使うか」、そして「いかに自分で考えるか」へと完全にシフトしているのです。
もし、AIが出してくれる答えに頼り切ってしまったらどうなるでしょうか。子どもたちは、最も大切な「自分で考える力(自学自習の姿勢)」を育む機会を失ってしまうかもしれません。
これからの個別指導塾は、単に効率的なシステムを提供するだけの場所では、存在意義がないと考えています。大切なのは、デジタルな道具を賢く使いこなしつつ、「知識の使い方」や「自分で考える方法論」を、対面指導で伝えていくことです。
AIに思考を丸投げするのではなく、AIを道具として乗りこなしながら、これからの変化の激しい時代を生き抜き、成長していける人物を育てたい。
私たちは、ただ点数を管理するだけの場所ではありません。生徒の皆さんが、自分の頭で考え、自分の足で未来へ歩き出せるよう、これからも全力で一人ひとりの「対面」に向き合ってまいります。